ウィスキーを中心とした生活

主に飲んだお酒の備忘録や生活の一部の記録

グレンドロナック ハンドフィル 2016

家の中の整理も兼ねて飲みかけのボトルの消費を進めている。このボトルも残りわずかとなったので、思い出を振り返ってみる。

このボトルは2016年に現地を訪れた際にビジターセンターで詰めてきたもので、2004年蒸留、シェリーパンチョン樽で12年熟成。値段は83.99ポンドだった。当時の日本円換算で1万1千円ほど。

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蒸留所スタッフの方からボトルにウィスキーを注いでもらって興奮しているわたくし。ちなみに、この時は7月だったが気温は18℃ほど。寒かった記憶がある。

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蒸留所の写真をいくつか。で、これだけだと我ながらつまらないので、ミニチュアボトルで年代ごとのテイスティングをしてみる。

ティスティングメモ:
・ハンドフィル 2004 12Y
強い樽香がある。バニラ、メープル、ジンジャー、シナモンなどなど…。そして、喉に真っすぐ入ってくる。プラムやレーズンの香り。口あたりは辛く、トウガラシのようでもある。焦げたイメージを持つホロ苦さを伴うスパイシーな甘さ。横に広がるより縦の味わいの強いウィスキー。


・90's 12Y (Traditional) ※上の写真の右端
アーモンドのようなねっとりとした甘さがあり、麦芽要素の味わいが強い。柔らかい花の香りもある。

・80's 12Y (Original) ※上の写真の真ん中
甘さは同じ熟成年数でありながら90'sより奥深さがあり、イチゴ、リンゴのフルーツの要素が際立っている。ただ、匂いは異なっており、チーズのような匂いと昔の60'sストラスアイラにあるような古木…まではいかないが、良い感じに枯れた香りが混ざっている。フィニッシュにピートの要素も感じられるがあるが抜けはとても早い。

・80's 12Y (Matured in Sherry Casks) ※上の写真の左端
乾いたドライオロロソの香り、桃とか…。渋さに酸味を伴うベリーを感じる。ライトな酒質だが味はしっかり乗っている、どっしりしていて余韻が長い。

80'sの2つはもう飛びぬけての味わいなのだが、基本的にはどれも当たり前に美味しい。特にハンドフィルについては、近年のドロナックはどうしても世間から「シェリー樽に支配されがち」という評価が散見されるけども、こうして年代別に飲み比べて分かった「ほろ苦さ」、「ねっとりとした甘さ」というドロナックらしい味わいがハンドフィルにも備わっていることが分かり、嬉しくもあった。

あと、90年代に流通していた15Y シェリーのミニチュアボトルも存在することは把握しているのだが、国内では殆ど中古市場に流れてくることもなく未所持。